「かまど地獄」と別府市大字内竈(うちかまど)にある「八幡竈門神社」の縁(ゆかり)のお話。
鬼が忘れた石草履(いしぞうり)
その昔、かまど村に人を食らう鬼がいて、村人達をたいそう困らせていた。
村人達は神様に相談したところ、神様は鬼と話し合い、一晩の内に百の石段(神社正面石段)を造れたら、生け贄を差し出そう、もし出来なかったらかまどで煮て食うぞ!と勝負をすることになった。
鬼が九十九段造ったところで朝日が昇り、鶏が鳴くと、鬼は石の草履を片方忘れて、慌てて逃げ出した。
しかし神様は鬼が九十九段の石段を造ったことを評価し、龍神(拝殿天井画)を使いに出し、鬼を改心させ、今では「かまど地獄」の門番として真面目に働いている。
龍神が「かまど地獄」にいるのは、再び悪事を起こさないよう見張っている為である。
その後、鬼が忘れていった石草履に村人が恐る恐る足を置いてみると、みるみる力が湧き出て何倍もの仕事が出来るようになり、体の悪い人達はたちまち元気になったそうである。
ぜひ足を置き、その力をいただいて下さい。
鬼の足指が三本なのは貪欲、嫉妬、愚痴を表しており、知性と慈悲が欠けているからと云われている。
八幡竈門神社看板(2019.11.27 かまど地獄 株式会社竈地獄 寄贈)より